経歴
背景
ジジ・ラディーチェ(Gigi Radice)はイタリアの建築家で、1950年代から1960年代にかけてミノッティ(Minotti)と非常に密接に協働しました。ミノッティは1948年にアルベルト・ミノッティが創業した家具メーカーです。ミノッティ社の社誌は彼を、卓越した芸術的才能を備えたカリスマ的な人物として紹介しており、風刺画の才にも長けた画家であったと伝えています。息子のレナート・ミノッティによれば、アルベルトはラディーチェの中に、建築家とデザイナーという稀有な資質が一人の人物に兼ね備わっていることを見抜いていたといいます。
デザインの特徴
レナート・ミノッティは、ラディーチェの作風にフランク・ロイド・ライトやジオ・ポンティに通じる類縁性を見出しており、その作風は両巨匠の中間に位置するものだと語っています。彼は、個性があり、モダンで、そしてそれが属する建築と調和したオーダーメイド家具をデザインする particularな才能を持っていたと評価しています。ミノッティの語るところによれば、当時のラディーチェの取り組みは全身全霊を傾けたものでした。まず会社の社屋の計画、次に家族の住まい、そして最終的に製品ラインナップへと、その関わりは広がっていきました。
代表的な作品
- ミノッティ本社およびメダ(Meda)にあるミノッティ家の邸宅:ミノッティ社誌によれば、いずれも彼の設計によるものです
- 吊り下げ式の槌目仕上げ銅製暖炉:家族の住まいのリビングスペースの中央に設置されたもので、社誌の一つの箇所では1960年、別の箇所では1964年の制作とされています。ミノッティは2018年のサローネ・デル・モービルの出展ブースで、これを大型スケールで再現しました
- アルベルト(Albert)のソファとアームチェア、そしてイル(Ile)のアームチェア:ミノッティが2018年コレクションのために、アーカイブから再編集したシーティングのファミリーです
レガシー
ラディーチェがミノッティのために手がけた製品の一部は、同社の言葉によれば現在ではカルト的な名作とみなされており、ヴィンテージデザインの流通経路やオークションハウスを通じて取引されています。修復されたものも、オリジナルの状態を保ったものもあります。2018年の創業70周年を記念して、ミノッティはミノッティ・アーカイブからシーティングのファミリーを選び、2018年コレクションの特別版として発表しました。名称は創業者アルベルトと、現在は名誉会長を務める妻イレアナの愛称にちなみ「Albert&Ile」と名付けられました。製品ページでは、作品のクレジットを「Gigi Radice design / Minotti Historic Archive」と表記しています。この復刻版は、オリジナルのデザインを損なわずに、全体のフォルムをわずかに調整しています。アルベルトは1900年代に着想を得たアームレストと1950年代のクラシックなラインを残しており、前面からアームレストの周囲へと回り込む無垢材の装飾帯があり、張り地を施した後にフレームへ固定されています。イルは1960年代に近く、背もたれの中空状の形状が特徴です。ミノッティによれば、最も適しているとされる張り地は、ミンク(Mink)からコバルト(Cobalt)、ブルーオーシャン(Blue Ocean)、チタニウム(Titanium)までの色を展開するモヘアウール・ベルベットです。ミノッティの社誌は、ラディーチェを同社にとって最初の著名なコラボレーターとして挙げており、その後にロドルフォ・ドルドーニとの協働が続きます。



